古民家あらやし

「むかし、祖父母の家にあそびに行ったときのような——縁側から差し込む光、梁を見上げて眠った夜、囲炉裏を囲んで笑った記憶。

そんな“あたりまえの温かさ”が、この場所には今も息づいています。」

 

千葉・勝浦の山あいにひっそりと佇む「古民家あらやし」は、築百十年の一棟貸しの宿。

時の流れをゆるやかに解きほぐしながら、自然とともに過ごす、やさしいひとときをお届けします。

[  住所  ]
〒299-5216 千葉県勝浦市宿戸409
[  車・電車でのアクセス / 他  ]
市原鶴舞ICより約33分または茂原長南ICより約38分/ JR外房線勝浦駅よりタクシー約10分
[  駐車場  ]
有り
[  チェックインアウト  ]
チェックイン:15:00 / チェックアウト:10:00
[  Instagram  ]
@kominka_arayashi
[  現在地からの経路  ]
https://goo.gl/maps/
  • コンセプト|暮らしの記憶を未来へと継ぐ宿

    「あらやし」とは、正式には「荒屋敷(あらやしき)」。

     

    同じ姓の家が集うこの土地では、屋号で呼び合う習わしが今も残り、近隣では“あらやしさん”と親しまれてきました。

     

    三百余年にわたり守ってきたこの家を、十九代目の当主が静かに受け継ぎ、

     

    宿として開いたのは、「暮らしの記憶を、次の時代へつなぎたい」という祈るような想いから。

     

    囲炉裏の煙でいぶされた茅葺の屋根、歳月を支えてきた梁や柱。

     

    建築家だった父の手を経て受け継がれた美しさはそのままに、現代の快適さがそっと寄り添います。

     

    黒電話やステレオセットなど、昭和の面影を残す道具たちが、静かに語りかけてくるようです。

     

    この取り組みは、令和三年度「千葉県建築文化賞 優秀賞」を受賞。

     

    “暮らしの美学”を宿として表現した「あらやし」は、今や地域の記憶を宿す場として、大切に育まれています。

    四季を映す、庭と里山の風景

    千坪におよぶ敷地は、木立と小川に包まれた静けさの世界。

     

    朝は野鳥のさえずりで目を覚まし、夜は焚き火の灯に癒される。

     

    満天の星が降る空の下、手持ち花火や虫の音に耳を澄ませば、忘れていた幼き日の夏がふとよみがえります。

     

    春はタケノコ掘りや庭の草花、夏は虫とりや磯遊び、秋は紅葉、冬は澄んだ空気と凛とした静けさ——

     

    親子三世代の滞在にも好まれ、季節を通して自然の美しさと触れあえ日々を味わえます。

    旅先の日常をそっと支える設備

    どこか遠くへ来たようでいて、都会の喧騒から離れたこの場所がふと暮らしの延長にも思える。

    Wi-Fiやワークスペースも備え、オンライン会議や仕事にも対応。

    東京駅八重洲から高速バスで約一時間四十分、最寄りバス停からは徒歩二分。

    宅配便も受け取れるため、車のない方も安心して訪れることができます。

    自然とともにある、ありのままの時間

    ここにあるのは、つくりこまれた体験ではなく、そっと寄り添う“ありのまま”。

     

    川辺に現れるキョンやイタチ、四季折々の草花や風の匂い。

     

    虫が苦手な方には、空気の澄んだ十一月から四月がおすすめ。

     

    夜には星々がきらめき、静けさが心を満たします。

     

    ふいに現れる動物たちとの偶然の出会いが旅のご褒美なのかもしれません。

    蔵と庭が語る、手仕事の美

    令和七年初夏、この地にあたらしい息吹が芽吹きます。

     

    庭に寄り添う蔵を活かしたガーデンショップとギャラリーが誕生予定。

     

    園芸・造園の知識を持つ宿主が選んだ草花や器が並び、陶器や手工芸品、クレイフラワーの作品たちが旅の合間をやさしく彩ります。

     

    二階にはワークショップも開催予定。

     

    器を手に、花を眺め、香りに包まれる—— そのひとときが、いつまでも心に咲き続けることでしょう。

     

    日々に追われる都会の暮らしの中で、ほんのひととき立ち止まり、昔ながらの日本の家に身をゆだねる。

     

    そんな時の流れをやさしく包み込み、忘れられない記憶として心に残る宿です。