湯の山温泉
(ゆのやまおんせん)奈良時代の開湯以来、興亡の歴史を繰り返しながら紡いできた温泉です。
「恋結び折鶴伝説」や「鹿の湯伝説」などを通じて語り継がれ、関西の奥座敷として有名です。
折鶴伝説にあやかって今でも折鶴を奉納する恋人たちが多いと言われています。
御在所岳山麓のハイキングコースでは、多彩な高山植物はもちろん特別天然記念物のニホンカモシカなどの野生動物にも出合えるかもしれません。
多くの文豪や歌人、動植物研究家が訪れた湯の山温泉は、都市近郊にありながら豊な自然が残る温泉地であり、御在所岳へ登れば琵琶湖、伊勢湾を一望し、天気の良い日には遥か富士山をも遠望でき、温泉街には三岳寺や蒼滝、大石といった見所を訪ね歩く遊歩道があります。
- [ 所在地 ]
- 三重県三重郡菰野町菰野
- [ 電車、バスでのアクセス ]
- 近鉄 湯の山温泉駅からバスで8分
- [ 車でのアクセス ]
- 新名神高速道路 菰野ICから15分
-
おすすめのシーズン
11月中旬~下旬に見頃を迎え、ツツジ科の赤・クスノキ科の黄・針葉樹の緑が鮮やかに彩る紅葉の秋がおすすめのシーズンと言えます。
特に、湯の山温泉は胃腸病、神経痛、外傷に効果的なアルカリ性ラジウム温泉であるため、疲れた体を癒しながら見る紅葉がおすすめです。
標高1212mの御在所岳の山頂から順次紅葉が湯の山温泉街へと下っていく様子が楽しめます。
中腹から望む伊勢湾と空の青、山の緑と紅葉の赤が織りなす景色は息をのむほどに美しく、武兵峠を滋賀県側に臨み、まるで錦絵のような景観が楽しめることで有名です。
三嶽寺・三岳寺
僧兵たちの集う山岳宗教(最澄が広めた天台宗)の拠点であった三嶽寺は、今では折鶴伝説の恋結びの社寺として復活し、人気を得ています。
毎年早春には、折鶴に願いをたくす「折鶴祈願奉納」、10月には火炎みこしが温泉街を練り歩く「僧兵まつり」が行われます。
折鶴伝説の発祥は江戸時代にあります。
心中しようとした男女が僧兵に姿を変えた仏様に「この温泉に浸かれば気持ちも変わる」と諭され、心中を思いとどまり、翌朝に僧兵に礼をと三岳寺を訪れたところ姿が見えず、せめて感謝の気持ちを伝えようとふたりは鶴を折り、寺へ奉納し、その折鶴は連なってひらひらと舞い上がり、飛び立っていくその不思議な出来事に、明るい望みが生まれ、生きる決心をし、幸せになったという伝説です。
2人が三嶽寺に折鶴を奉納したことから「恋結び折鶴伝説」として語り継がれ、今でも三岳寺では、永遠の愛と幸せに結ばれることを願い、折鶴を奉納する恋人たちの姿が絶えないそうです。