松本城
(まつもとじょう)松本城は異なる時代の櫓が複合された天守群を持ち、現存する五重六階の天守の中で日本最古の国宝の城です。
かつての状態のまま天守が残っている現存天守は12城ありますが、そのうち五重天守をもつ城は松本城と姫路城のみとなっています。
戦国時代、永年元年(1504年)に造られた深志城(ふかしじょう)が前身と言われ、戦国の動乱を経て、名を松本城と改めました。
松本城の特徴のひとつは、上部が白漆喰、下部が黒漆塗りとなっていることです。
白と黒のコントラストが見事な漆黒の城ですが、これは豊臣秀吉の大阪城が黒で統一されていたことから、秀吉への忠誠のしるしであったとも言われています。
また、大天守の外観は五重に見えますが、内部は6階からなる「五重六階」であり、2層目の屋根裏部分に3階が隠されています。
起伏のない平地に築かれた平城で、防御のために周囲に3重のお堀が設けられていることも特徴です。
背後には雄大なアルプスが広がり、四季折々に変化する美しい姿としても知られています。
- [ 所在地 ]
- 長野県松本市丸の内4-1
- [ 電車、バスでのアクセス ]
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松本駅より徒歩約15分
松松本駅より本周遊バス「タウンスニーカー」で「松本城・市役所前」下車
- [ 車でのアクセス ]
- 松本ICから約10分
- [ 開場時間 ]
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通常: 08:30~17:00
ゴールデンウィーク、夏季: 08:00~18:00
- [ 拝覧料 ]
- 一部有料
- [ 駐車場 ]
- 有料駐車場あり
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国宝の天守5棟
松本城天守群は、大天守(だいてんしゅ)・乾小天守(いぬいこてんしゅ)・渡櫓(わたりやぐら)・辰巳附櫓(たつみつけやぐら)・月見櫓(つきみやぐら)の五棟で形成されています。
大天守と乾小天守を渡櫓によって連結し、辰巳附櫓と月見櫓が複合された連結複合式の天守です。
現存天守の城は全国で12城ありますが、五重の天守で現存しているのは姫路城と松本城のみで、昭和11年(1936)に国宝に指定されました。
大天守と乾小天守、その両者をつなぐ渡櫓は、戦国時代末期(文禄2~3年(1593~4年頃))に築造され、辰巳附櫓と月見櫓は、戦のない江戸時代初めに造られたと考えられています。
戦うことを想定した備えをもつ大天守・渡櫓・乾小天守の三棟と、戦う備えをほとんどもたない辰巳附櫓・月見櫓の二棟。
月見櫓は、書院などで用いられる舞良戸が用いられ、戦時の建物では見られない優雅な造りになっています。
このように戦時の戦国期と平和な江戸期という違う時代の天守と櫓が複合した天守群は、松本城の他に例がない我が国唯一の天守です。
お城内部の見どころ
松本城天守内も所要時間約45分から60分で拝覧することが出来ます。
戦国時代の堅固な仕掛けだけでなく、建物の構造や当時の武士たちの様子も垣間見ることができます。
内部は窓が少ないため薄暗く、狭く急な階段が続くので注意が必要です。
最上階からは、市街地から北アルプスまでを一望できます。
当時は敵の様子を見る「望楼(ぼうろう)」として使用されていたため、当時の雰囲気を感じられるのではないでしょうか。
最上階から下り、大天守2階を経て、辰巳附櫓・月見櫓へ向かうと、戦を想定した戦国時代の建築様式と戰のない江戸時代の建築様式の違いを実際に感じることができます。
異なる時代の建物が複合された日本唯一の連結複合式天守をぜひ堪能してください。
おすすめ撮影スポット
「埋橋(うずみばし)」
城の西側に架けられた赤い橋で、昭和30(1955)年に架けられました。
赤い橋と漆黒の城のコントラストがとても鮮やかです。
お堀に生息する白鳥も見られるかもしれません。
*以前は通行可能でしたが、現在は通行禁止となっています。
「天守群」
背後に広がる雄大なアルプスと天守群がお堀の水面に映る風景はもちろん素晴らしいですが、日没〜22:00までライトアップされ闇夜に浮かび上がる天守もまた格段と美しいです。
「本丸庭園」(有料区間内)
毎日8:30~16:00の間、甲冑や忍者、姫などの装束をまとった「国宝松本城おもてなし隊」が本丸庭園内に登場します。
無料で撮影できるので、タイムスリップした気持ちで一緒に写真を撮ってみてはいかがでしょうか。
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